集中講義:非相対論的な系における共形対称性とその破れ

(2021年12月20-22日 東北大学)

近年の冷却原子を用いた実験技術の発展により、原子間の相互作用をフェッシュバッハ共鳴を用いて自由に変化させることが可能になった。特に、散乱長が発散するユニタリー極限では、低エネルギーの物理は系の微視的な詳細に依らず普遍的になるとともに、共形対称性が創発する。このような系は強相関となることから量子多体問題の解析は一般的に難しいものの、共形対称性に基づいた理論を展開することが可能である。本講義では、非相対論的な系における共形対称性とその物理的帰結について議論する。さらに、共形対称性が量子力学的効果によって破れることで、エフィモフ効果やスーパーエフィモフ効果などが発現する。こうした風変わりな量子少数現象についても紹介する。

1.冷却原子、ユニタリー極限、ゼロレンジ極限ノート
2.スケール不変性とシュレーディンガー代数ノート
3.演算子・状態対応、呼吸振動、体積粘性ノート
4.スケール対称性の量子異常による破れノート
5.セミナー?
6.エフィモフ効果と普遍性、マグノン系への応用スライドノート
7.繰り込み群を用いた方法とスーパーエフィモフ効果ノート

参考文献
"Unitary Fermi gas, epsilon expansion, and nonrelativistic conformal field theories" [arXiv:1004.3597]
"Efimov effect in quantum magnets" [arXiv:1208.6214]
"Super Efimov effect of resonantly interacting fermions in two dimensions" [arXiv:1301.4473]
イプシロン展開エフィモフ効果の日本語による簡単な解説
基研・iTHEMS研究会「非平衡系の物理学-階層性と普遍性-」での発表スライド